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世界高血圧デー(5月17日)に寄せて

5月17日は世界高血圧デー ― 血圧を正しく測って、健康を守ろう

毎年5月17日は「世界高血圧デー(World Hypertension Day)」です。この記念日は、世界中で増加し続けている高血圧に対する意識を高め、予防や治療の重要性を広く伝えるために、世界高血圧連盟(World Hypertension League)によって制定されました。

日本でも、高血圧は非常に身近な生活習慣病であり、約4,300万人(未治療群も含む)が該当すると言われています(※厚生労働省調べ)。しかし、自覚症状がないまま進行し、脳卒中や心疾患、腎臓病など重大な病気につながることから、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれることもあります。


2025年のテーマ:「正しく測って、コントロールして、長生きしよう」

今年の世界高血圧デーのテーマは
「Measure Your Blood Pressure Accurately, Control It, Live Longer」
(血圧を正確に測定し、コントロールし、長生きしよう)です。

このテーマには、「まずは自分の血圧を正しく知ることが、高血圧による合併症を防ぎ、健康寿命を延ばす第一歩である」というメッセージが込められています。


血圧を“正しく”測るために大切なこと

意外と知られていませんが、血圧の数値は測り方次第で大きく変わることがあります。正確な血圧測定のためには、以下のポイントが大切です:

  • 測定前5分間は静かに座って休む

  • トイレは済ませておく

  • 背もたれのある椅子に腰かけ、足は床にしっかりつける

  • 腕は心臓の高さに保つ(机の上にクッションなどを置くと◎)

  • 測定中は話さない

また、家庭での血圧測定は、朝(起床後1時間以内・排尿後)と夜(就寝前)に行うのが理想的とされています。


当院の取り組み

当院では、日常的な血圧測定を気軽に行っていただけるよう、院内に血圧計を設置しています。ご希望の方には、正しい測定方法のアドバイスや、家庭血圧の記録のサポートも行っています。

また、食事や運動、生活習慣に関するご相談にも対応しています。ご自身の血圧が気になる方、最近測っていないという方は、ぜひお気軽にお声かけください。


当院ブログの高血圧関連記事


これまでに当院のブログで紹介した高血圧に関する記事です。

「血圧」と「高血圧症」 〜血圧は悪者なのか (高血圧①)
そもそも「血圧」とは?なぜ「血圧」が悪者になったのか?

高血圧の治療 〜目標とできること (高血圧②)
血圧には目標が設定されています。自分の目標は?目標のためにできることは?

「血圧はどこまで下げればいいの?」~最新の研究から(BPROAD研究)~
糖尿病患者さんの血圧について最新の話題を紹介(2025年現在)


おわりに ― 血圧を知ることから始まる

「自分はまだ若いから大丈夫」「症状がないから平気」と思っていても、高血圧はいつの間にか忍び寄るものです。そして、一度進行すると取り返すのが難しくなる場合もあります。

まずは、「血圧を測ってみる」ことから始めましょう。血圧を“知る”ことが、まずは第一歩になります。

世界高血圧デーをきっかけに、ひとつ新しい習慣をつけてみませんか?

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